2010年2月3日水曜日

iPadが発表される2010年という年

久々の投稿になります。今年になって初ですね。節分の前日です。そういう意味では前年度中とも言えるのか。

さて僕が経営しているワンダーウォールは今年で創業10周年です。そのころから主にインターネット関連のアプリケーションやサービスを開発しているのですが、この10年での変化はなかなか激しいものを感じます。例えば10年前は所謂ネットバブルの頃でヤフーの株価が死ぬほど高くなってたりビットバレーという何かが注目されてたりしてました。ビットバレーのイベントにはソフトバンクの孫さんも参加されてたような。ちなみにうちの父もそのときのイベントに参加したらしい。まさにバブルな現象だったのだと今になると思います。


その頃スタートアップだったGoogleは今やマイクロソフトを凌ぐほどの企業に成長し、検索分野、アプリケーション分野に留まらず、ブラウザ、OS、携帯とネット時代のあらゆるジャンルで巨大な存在感を示しています。この10年はGoogleの10年とでも言えるかもしれません。

もう一方、この10年で劇的に存在感を増した企業があります。Appleです。初代iMacが出たのが、1998年、iBookが出たのが1999年。初代iPodは2001年です。その頃はマカーとも呼ばれたマック大好きなギークたちにはとても注目されてたのですが、コンシューマ市場ではあまり存在感があったとはいえなかったと思います。それが2010年の今ではどうでしょう。iPodの爆発的な普及やスマートフォン市場を独走するiPhoneの人気など。Appleの製品を利用するユーザは世界中に数え切れないほどいます。電車に乗ってても周りをちょっと見わたせば、そのうちの何人かはiPodなりiPhoneなりを持ってますよね。それほど普及してます。

Appleはその製品によって人々のライフスタイルを確実に変えてきました。AppleとGoogleの一番の大きな違いはこの点です。Googleは何か既存のあるものを便利にはするけど、ライフスタイルを変えるわけではありません。Appleはライフスタイルを変えます。

さて、そのAppleが2010年の今年発表したのが、ご存知のとおり、iPadです。

詳しい製品の説明はわざわざここでする必要はないと思いますが、その凄さをわかるための一番よい方法は、下のビデオを見ることです。
(一つ目はだいぶ長いのですが...)
http://events.apple.com.edgesuite.net/1001q3f8hhr/event/index.html
http://www.apple.com/jp/ipad/#video

AppleはこのiPadという製品でまたライフスタイルに変化をもたらそうとしています。僕が考える今回の変化はどういうものか。それは一言でいうと、「人々のコンピュータへの接し方」の変化です。

いままではコンピュータを使うときというのは、ほとんど「前のめり」の状態でした。こうやってブログを書くのも、WEBを見るのでも、エクセルやパワーポイントで仕事の資料を作るのでも、殆どの人は前傾姿勢でガッと集中する感じでコンピュータに向かって、色々操作をしていると思います。人々のコンピュータへの接し方はこういうかたちでした。

今度のiPadでどう変わるか。それは上のジョブズさんの講演での操作デモの場面を見ていただければわかるように、「ソファでくつろいで」コンピュータを使うようになるのです。「後ろのめり」になるのですね。

これは非常に大きな変化だと思います。例えば、テレビを見るときはソファでだらっと寛ぎながら見ることが多かったりするのではないでしょうか。本を読む時も、前のめりの時もないわけではないとおもいますが、ある程度リラックスした姿勢が多いと思います。そして、iPadはコンピュータとして初めてその仲間入りをしたわけです。コンピュータが次の次元に進んだとも言えるのではないでしょうか。

あともう1点、このiPadがすごいのは、そのユーザビリティです。実際触ったわけではないので印象論でしかないのですが、この操作性は今までのコンピュータのアプリケーションとは一線を画するものになるに違いありません。例えば電子書籍のiBooksの操作。紙をめくるようなかんじでページを移動していきます。新聞も本当の新聞のようなレイアウトで表示されます。これまでのアプリケーション、ソフトウェアとは全く違ったレベルのものになっているのです。今後、このiPadのユーザビリティがアプリケーションの操作性の基準となるでしょう。このレベルに達しない、少なくともそういう方向性のない、アプリケーションは全く評価されなくなるはずです。

2010年はこのような変化が始まる最初の年となります。ここにクラウドというもうひとつの重要なキーワードも重なってきます。これもコンピュータへの接し方が変わるひとつの要素です。2000年代の商業化されたインターネット時代的なものは急速に古びていってしまうでしょう。あと5年もすれば様変わりしているはずです。流れは非常に早く進んでいくと思います。

ワンダーウォールはこの変化にサーフィンのようにうまく乗りながら、より社会に多く価値を提供できるように、この10年を進んでいきたいと思います。

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