ニューノーマル―リスク社会の勝者の法則 ロジャー マクナミー デビッド ダイアモンド Roger McNamee 東洋経済新報社 2008-09 売り上げランキング : 43372 おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ニューノーマルという言葉、2008年の金融危機以降によく耳にするようになった記憶があって、実際に「リーマンショック ニューノーマル」などでググってみると、そのような文脈で書かれているものが色々出てくるのだけど、この本は2004年に出版され、アイデア自体は2002年に雑誌で書かれたもののようだ。
つまりこの本は、IT技術の急速な進展とグローバル化という文脈において、従来とは違ったルールで社会が動いているということで「ニューノーマル」というタイトルがついている。
このなかで、著者のマクミナーはIT技術の急速な進展とグローバル化のなかで4つの視点が重要だと説いている。本書から引用すると、以下になる。
- 個人の力が急速に高まっている。
- かつてなく多くの選択肢が与えられる一方で、必要とされる決断も増えている。
- 技術とグローバル化は確固たる事実である。この二つが経済を支配し、この事実は今後も変わらない。
- 時間が不足しているのは誰も同じなので、持っている時間を最大限に利用することが不可欠である。
これは先日ブログに書いた「フリーエージェント社会の到来」にも同じようなことが書いてある。つまり、個人の力が強まってきたなかで社会構造が変わりつつあり、ビジネスのルールも変わってきている、というだ。
Coworkingを推進する立場としては、本書の9章(個人の重要性はこれまでになく高い)と15章(「小」の影響力と質の向上)は特にお薦めする章だ。ここだけでもこの本を読む価値はあると思う。
以前の事業を営むには大企業があらゆる面において有利だったのが、変わってきている。大企業に対し個人という小規模な単位がクローズアップされてきているのは、何やら恐竜の時代から哺乳類の時代への変化を想起させる。巨大隕石によって恐竜が絶滅したという説が有力なようだが、この技術の進展とグローバル化は巨大隕石のようなインパクトをもつものなのかもしれない。
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