2007年7月24日火曜日

ニュースの伝わり方

セリエA・カターニアが来日中止 柏崎原発事故を理由に」という記事。


日本各地で7月末から親善試合を予定していたサッカー・イタリア1部リーグ(セリエA)のカターニアの来日中止が24日、試合事務局などから発表された。
サッカー自体には特に興味はないんですが(アジア・カップは見てますが)、何でまたそんなに過剰反応しているんだろうな、余震が怖いのかな、と不思議に思ってたところ、来日中止の理由としてこんなことが書かれていたのでビックリ。

事務局側は「報道で放射能が漏れて1万人が避難している、と誤って受け取ったようだ。事実とは違うとイ
タリア大使館なども通じて説得したが、特に選手の親の反発が強かった」と話した。
なんと、遠く離れたイタリアでは、地震で避難しているのではなくて、放射能漏れで避難している、ということになってしまっているようです。これなんて伝言ゲーム。もちろんこちらもイタリアの報道に直に接したわけではないので、この報道も伝言ゲームになっている可能性は大いにあるのですが、これはちょっと無いよな、というか、かなり大きな誤報として伝わってしまってますよね。
どこがどうなってこういう誤解へと繋がっていったのかは良くわかりません。しかし思うに日本国内でのオーバーな表現での報道がよりオーバーに増幅されていった結果なのではないかと感じます。これは非常に残念なことです。
このようなことを避けるためには、例えばひとつとして、アルジャジーラのように、英語での日本のニュースをもっと積極的に世界に配信していくのがよいのではないでしょうか。ニュースを配信することで当然悪い面も伝わってしまいますが、今回のような誤解を生む危険性は少なくなるし、また日本をより多面的に理解してもらうことにもなるはずです。自分達はどのような状況に置かれていて、どのように考えてるか、ということを相手に知らせる、わからせるということは、相手を安心させ相手の利益にもなり、また結局は自分たちの利益にもなるのだと思います。


追記(2007年7月26日12:30):
はてなブックマーク経由で、「ヴェネツィア 見たい!聞きたい! : 新潟の地震とイタリアでの報道」という記事を知りました。イタリアでの中越沖地震の報道について書かれています。
今朝の新聞では、もちろん全国主要2紙とも1面からの大きな扱い。うち、「レップブリカ」紙では準トップ、いずれも「日本で地震、放射性物質漏れ」との見
出しに、例の煙の写真。材料と資料が限られているのだろうから、被災親子の写真も同じなのは致し方ないとして、本紙内ではやはりどちらも、見開き2ページ
をまるまる使っての報道。が、焦点は明らかに「世界最大の」原子力発電所での事故にあり、詳しい図や解説つき。「レプブリカ」には「チェルノブイリの悪夢
再来、警告は5時間後」との大見出しも。
ということで、チェルノブイリと並べられるような事故になってしまっていたようですね。

2 件のコメント:

  1. NHK も英語放送を流しているみたいですが、BBC とかに比べると、全然ダメでしょうね~。
    アル・ジャジーラにも、トピック性という点では、完敗ですね。

    ただ、欧米諸国は今回の原発の「事故」について、日本人以上に、かなり深刻に受け止めているようですね。
    どうやら、日本の電力会社は、まったく信用されていないようです。

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  2. ちゃめさん、コメントありがとうございます。そうですね。先日シンガポールでNHKの英語ニュースをみたんですが、だいぶユルユルなかんじでした。どうにかしたほうがいいと思います。
    原発のほうに関しては、国内でも叩き系の報道になっていて、例えば発電所の耐震への考え方とか、漏れた放射能量は法律での基準値の500億分の1(だったかな?)というような、ほぼ無視してもよいような量であることとかは、あまり報道されてないように思えますし、ましてや海外にそれが伝わるのは難しいですよね。選挙の時期であることや世論の逆風もあって、政府もあまり強く言えない面があったりして、また東京電力もあまりわかりやすい説明をしていないし、情報の提示の仕方をもっと上手くしないといかんなと思います。

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